自宅内で犯罪者と遭遇し、命を狙われる危険性が最も高い区はどこなのか?
治安が気になる方が、最も恐れる犯罪現場は自宅。
空き巣、忍込み、居空きといった自宅への侵入犯罪は、安らかな生活を守りたい人にとって、最も避けたいことでしょう。
そこで「人口」、「不在時に侵入してくる空き巣の犯罪認知件数」、「在宅中に侵入してくる忍込みと居空きの犯罪認知件数」から、独自の指標である「自宅内遭遇スコア」を算出し、ランキング形式で紹介していきたいと思います。
安らげる東京の自宅で、豊かな暮らしを送りましょう。
目次
都会には「治安が悪い」というイメージがありますが、東京はその他の都市と比べてどのくらい治安が悪いのでしょうか?
順位 | 都市 | 10万人あたりの刑法犯認知件数 |
---|---|---|
1位 | 大阪市 | 1651件 |
2位 | 名古屋市 | 970件 |
3位 | 福岡市 | 943件 |
4位 | 東京23区 | 897件 |
5位 | 神戸市 | 878件 |
6位 | 千葉市 | 858件 |
7位 | 京都市 | 794件 |
8位 | 北九州市 | 688件 |
9位 | 仙台市 | 677件 |
10位 | 札幌市 | 596件 |
11位 | 広島市 | 572件 |
12位 | 川崎市 | 500件 |
13位 | 横浜市 | 467件 |
上記のランキングは、警視庁や東京都、北九州市が公表しているデータを元に「10万人あたりの刑法犯認知件数」を割り出し、多い順に並べたものです。
この結果を見ると、大阪市は10万人あたりの刑法犯認知件数が飛び抜けて多く、東京23区はその他の都市と大きな差がないことが分かります。
決して「治安が悪い」ということはありません。
なお、ランキングを作成するにあたって使用したデータは以下のものとなります。
【警視庁】区市町村の町丁別、罪種別及び手口別認知件数(平成30年のデータを使用)
【東京都】東京都の人口(推計)過去の推計(平成31年1月のデータを使用)
「東京=日本の中でも特に治安が悪い」ではなく、「東京=他の都市と同程度の治安」であることが分かりました。
では、東京23区の中ではどの地域がより安全で、どの地域がより危険なのでしょうか?
一人暮らしの若い女性やお年寄りの方にとって大きな脅威である、「空き巣」、「忍込み」、「居空き」という3つの侵入犯罪の認知件数を元に各区の危険度をスコア化し、順位付けしていきたいと思います。
「空き巣」、「忍込み」、「居空き」それぞれの定義は以下の通りとなります。
このように、侵入犯罪は不在時を狙う「空き巣」と、在宅時に行われる「忍込み」、「居空き」の2種類に分けることができます。
そして、在宅中であることを把握した上で犯罪者が自宅へと侵入してくる「忍込み」と「居空き」の認知件数を一定の人口数で割ることによって、自宅内で犯罪者と鉢合わせてしまうリスクをスコア化し、区ごとに比較することができます。
しかし、帰宅したときに空き巣の犯人と鉢合わせるケースや、実際には「忍込み」や「居空き」が行われていたものの、被害に気付くまでの期間が長引くことによって「空き巣」に入られたと勘違いしてしまうケースも存在します。
そのため、今回は空き巣の犯人と鉢合わせてしまうリスクを、「忍込み」や「居空き」の犯人と鉢合わせてしまうリスクの3分の1と仮定し、「空き巣」の認知件数を3で割ったものをスコアの計算式に加え、よりリアルなランキングを作成しました。
<新宿基本情報>
「自宅内で犯罪者と鉢合わせしやすい区ランキング」第1位は新宿区です。
自宅内遭遇スコアは13.63となりました。
347,398人が生活を営んでいる新宿区では、年間96件の侵入犯罪が発生しています。
新宿区は23区の中で最も居空きの認知件数が多いため、日中の時間帯に侵入者と自宅内で遭遇するリスクが高いといえます。
また、人口比率では空き巣と居空きの2つが最下位になっていることから、留守か在宅かを問わず、多くの犯罪者が自宅にある金品を狙っている地域だといえるでしょう。
年間認知件数 | 23区内の順位(件数) | 23区内の順位(人口比率) | |
空き巣 | 73件 | 17位 | 23位 |
忍込み | 12件 | 14位 | 18位 |
居空き | 11件 | 23位 | 23位 |
<中野区の基本情報>
新宿区に続く第2位は、中野区です。自宅内遭遇スコアは12.79となりました。
338,720人が生活を営んでいる中野区では、年間90件の侵入犯罪が発生しています。
中野区は、空き巣と忍込みが人口比率で下位に入っています。
また、居空きも決して高い順位ではないことから、新宿区と同様に多くの侵入犯罪のターゲットとなりやすい地域であるといえます。
年間認知件数 | 23区内の順位(件数) | 23区内の順位(人口比率) | |
空き巣 | 70件 | 16位 | 22位 |
忍込み | 15件 | 18位 | 21位 |
居空き | 5件 | 13位 | 19位 |
<練馬区の基本情報>
第3位は、練馬区です。自宅内遭遇スコアは11.42となりました。
735,650人が生活を営んでいる練馬区では、年間138件の侵入犯罪が発生しています。
練馬区は人口比率で忍込みが最下位となっていることから、夜中目が覚めた時などに侵入者と遭遇するリスクが23区内で最も高いといえます。
また、練馬区は23区の中で2番目に人口が多いため、相対的に犯罪認知件数も多く、件数ではいずれも下位となっています。
年間認知件数 | 23区内の順位(件数) | 23区内の順位(人口比率) | |
空き巣 | 81件 | 19位 | 10位 |
忍込み | 49件 | 23位 | 23位 |
居空き | 8件 | 22位 | 13位 |
<北区の基本情報>
第4位は、北区です。自宅内遭遇スコアは10.97となりました。
352,493人が生活を営んでいる北区では、年間80件の侵入犯罪が発生しています。
北区は人口比率で空き巣と忍び込みが下位となっています。そのため、防犯対策するとしたらまずは帰宅時や就寝時の侵入者への対策をしましょう。
年間認知件数 | 23区内の順位(件数) | 23区内の順位(人口比率) | |
空き巣 | 62件 | 13位 | 21位 |
忍込み | 14件 | 16位 | 20位 |
居空き | 4件 | 9位 | 16位 |
<豊島区の基本情報>
第5位は、豊島区です。
自宅内遭遇スコアは10.65となりました。
300,447人が生活を営んでいる豊島区では、年間60件の侵入犯罪が発生しています。
豊島区は人口比率で忍込みがワースト2位となっています。
そのため、防犯対策においては玄関の2重ロックや就寝前の戸締り確認を十分に行うと良いでしょう。
年間認知件数 | 23区内の順位(件数) | 23区内の順位(人口比率) | |
空き巣 | 42件 | 10位 | 15位 |
忍込み | 14件 | 16位 | 22位 |
居空き | 4件 | 9位 | 18位 |
「自宅内で犯罪者と鉢合わせしやすい区ランキング」6位から23位までの区は、以下の通りとなります。
順位 | 区部 | 人口 | 空き巣 | 忍込み | 居空き | 自宅内遭遇スコア |
6位 | 渋谷区 | 231,584人 | 31件 | 9件 | 4件 | 10.08 |
7位 | 葛飾区 | 453,014人 | 67件 | 15件 | 5件 | 9.34 |
8位 | 港区 | 256,805人 | 42件 | 4件 | 5件 | 8.96 |
9位 | 江戸川区 | 693,749人 | 99件 | 16件 | 6件 | 7.93 |
10位 | 足立区 | 680,579人 | 90件 | 16件 | 6件 | 7.64 |
11位 | 板橋区 | 579,235人 | 75件 | 12件 | 7件 | 7.60 |
12位 | 杉並区 | 580,484人 | 85件 | 11件 | 4件 | 7.47 |
13位 | 荒川区 | 217,595人 | 10件 | 7件 | 5件 | 7.05 |
14位 | 目黒区 | 285,563人 | 38件 | 7件 | 0件 | 6.89 |
15位 | 大田区 | 734,616人 | 63件 | 19件 | 7件 | 6.40 |
16位 | 世田谷区 | 930,520人 | 139件 | 6件 | 5件 | 6.16 |
17位 | 文京区 | 231,211人 | 16件 | 5件 | 2件 | 5.33 |
18位 | 墨田区 | 267,190人 | 23件 | 2件 | 3件 | 4.74 |
19位 | 江東区 | 515,856人 | 43件 | 5件 | 3件 | 4.33 |
20位 | 台東区 | 206,105人 | 13件 | 1件 | 1件 | 3.07 |
21位 | 品川区 | 404,788人 | 20件 | 5件 | 0件 | 2.88 |
22位 | 中央区 | 161,935人 | 5件 | 0件 | 0件 | 1.03 |
23位 | 千代田区 | 63,584人 | 0件 | 0件 | 0件 | 0.00 |
自宅内で犯罪者と遭遇するリスクの低い区ベスト5は、千代田区、中央区、品川区、台東区、江東区です。
その中でも、上位4区は特に素晴らしいスコアとなっています。
上位4区の侵入犯罪における特徴は次の通りです。
このランキングで上位に入賞した区は、23区の中でも特に「自宅内での危険に対して不安を感じずに生活できる区」であると言えます。
しかし、だからといって油断は禁物です。
一番大事なのは個々の防犯意識。
以前、東京23区内の交番に聞いて回ったときに多くの警官の方が言っていたことは「普段から気を付けている人の犯罪遭遇率は低い傾向にある」ということ。
基本的な防犯対策をしっかりと行うことによって、更に安心して過ごせる住環境を手に入れることができるでしょう。
ここまで、細かなデータを元に「自宅内で犯罪者と鉢合わせしやすい区ランキング」を見てきました。
最後に、インフォグラフィックを使用して少し違った角度からデータを見ていきましょう。
こちらのインフォグラフィックは、ワースト5の区を赤で表示したものです。
このインフォグラフィックを見ると、侵入犯罪によるリスクが一部の地域に偏っていることがよく分かります。
こちらのインフォグラフィックでは、区ごとの自宅内遭遇スコアを棒グラフ状に表示しています。
治安を心配されることの多い東京ですが、このインフォグラフィックを見ると全ての地域が必ずしも危険だというわけではないことが分かります。
東京に住んでいる方は、ご自身とイメージと比べて異なる部分があるかもしれません。
上記は侵入犯罪のデータだけを対象にしてランキングを作成しましたが、街灯の数や人通りの多さ、夜間の雰囲気など、「治安」を考える上で重要なポイントは他にも数多く存在します。
これを見ると治安が良い事でも有名な文京区は、台東区や品川区、中央区に比べると低いことがわかります。
これは住宅街が少なく、犯罪の分母となる「自宅」そのものが少ない区が少なくなる傾向もあるためです。
一方で、住宅街ばかりで面積も広い世田谷区がスコアとして大きくならないことは、「治安が良い」とも言えます。
実際に安心できる一人暮らしには、街の特徴と住む人、集まる人を知っておくことが重要です。
足を運んでみて、昼・夜の街の雰囲気と、そこに住む人の傾向、コンビニや放置自転車などをチェックして、自分に合った街かどうか、考えてみると良いでしょう。
「住めば都」とは言いますが、引っ越しは労力がいるもの。少ないにこしたことはありません。
今回のデータを基に考えれば、「とりあえず新宿区に自宅を構えるのはやめとけ」という結果でした。
東京がもっともっと、よい街になっていくことを祈ります。
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